【熊取町の人】著書『最強の素人』に学ぶ、髙森政文さんの生き方|劣等感を力に変え、TE kara TEで唯一無二の世界を創るまで

まとめ

序章:僕が、髙森政文という人物に惹かれた理由

ある日の昼下がり、私は熊取町にある一軒の店を訪れた。

その名は「TE kara TE」。

創作串揚げと燻製料理が楽しめる、完全予約制の特別な空間だ。

そこで提供される料理の独創性、そして何より、店主・髙森政文さんの自信に満ちた眼差しと、作品(料理)の一つひとつに込められた熱い想いに、私はすっかり心を奪われてしまった。

「この人は、一体どんな人生を歩んできたのだろう?」

その興味から、彼が出版したという著書『最強の素人』を手に取った。
結論から言うと、想像以上に本質過ぎて背筋が伸びた。

高森政文著『最強の素人』の表紙

そこに書かれていたのは、単なる成功譚ではなかった。

・劣等感との闘い
・17年間の介護福祉士としての経験
・彼の揺るぎない哲学~「素人」を最強の武器に変える~

想像以上に深く、鋭い言葉の数々に、私は衝撃を受けた。

本記事では、著書『最強の素人』を中心に、運営者独自目線で髙森政文さんという人物の核心に迫ってみたい。

彼の物語が、多くの人にとって、自らの生き方を見つめ直すきっかけになるとうれしく思う。

第1章:著書『最強の素人』の核心にある哲学

「僕だったら『完璧』よりも『隙』があるほうが近付きやすいと思った。でも作品には『想い』があるものを求めたいと思った」
——髙森政文『最強の素人』p.75より

この一文に、髙森さんの哲学が凝縮されている。彼は、自らを「最強の素人」と称する。それは、経験がないことを卑下するのではなく、むしろ「素人だからこそ持てる視点」を最大の武器と捉えているからだ。

プロの料理人であれば、セオリーや常識に縛られてしまうかもしれない。
しかし、素人である彼は、自由な発想で、誰も思いつかないような料理を生み出す。
その根底にあるのは、「自分が一番楽しむ」という純粋な探求心だ。

第2章:劣等感をエネルギーに変えた少年時代

著書で、髙森さんはこれまでの人生、突き動かされていたのは「劣等感」だと赤裸々に語っている。

それは、常に誰かとの優劣の差に苦しむ少年時代だったという。しかし、彼が非凡だったのは、その劣等感に押し潰されなかったことだ。

無理に他人の土俵に上がる必要なんてない。自分の土俵で堂々と相撲を取ればいいと思う。勝負にこだわってもいいし、楽しむだけでもいいと思う。
——髙森政文『最強の素人』p.78より

つまり人と比べて落ち込むのではなく、そのエネルギーを「人と違う視点を持つ」ための探求心へと昇華させたのだ。

この「自分だけの土俵で戦う」という発想の転換こそが、彼の人生のコンパスとなる。
周りが「プロ」を目指すなら、自分は「素人」を極める。
常識やセオリーがないからこそ、誰にも真似できない、独創的なアイデアが生まれる。
このハングリー精神が、後に「串揚げ×燻製」という唯一無二のスタイルを生み出すことに繋がるのだ。

第3章:介護福祉士として過ごした17年という時間

38歳で「TE kara TE」を開業するまで、髙森さんは17年間、介護福祉士として福祉の現場に身を置いていた。
一見、料理とは全く関係のないキャリアに見える。しかし、この17年間こそが、彼の料理哲学の根幹を形作った。

介護の仕事で最も大切なのは、「相手の立場に立って考える」こと。
どうすれば相手が喜んでくれるか、どうすれば心地よく過ごせるか。常に相手に寄り添い、その人だけの「最適解」を探し続ける。
その姿勢は、現在の「1日2組限定」というスタイルに色濃く反映されている。

彼は、客を「お客さん」としてではなく、一人の「個人」として捉え、その人のためだけに料理を作る。
だからこそ、「TE kara TE」での食事は、単なる「食事」ではなく、忘れられない「体験」となるのだ。

第4章:「TE kara TE」の誕生と、店を超えた活動

「TE kara TE」は、単なる飲食店ではない。髙森さんにとっては、自らの作品を発表する「アトリエ」であり、想いを伝える「舞台」だ。

その活動は、熊取町という一つの町を越え、全国に広がり始めている。東京の名店「立ち喰い梅干し屋」とのコラボレーションは、その象徴的な例だ。

彼の作る「燻製梅」に惚れ込んだ「立ち喰い梅干し屋」の運営会社から声がかかり、『燻製梅のクリームチーズサンド』という人気商品が生まれた。
地方の小さなアトリエで生まれた「モノ」が、日本の中心地で確かな価値として認められた瞬間だった。

結び:髙森政文という生き方から、僕たちが学べること

髙森さんの物語は、私たちに問いかける。「プロフェッショナルとは何か?」と。

それは、経歴や経験年数で測れるものではない。むしろ、素人であることや、劣等感といった、人が隠そうとする側面にこそ、他者への深い共感と、誰にも真似できない表現を生み出す原石が眠っている。

もし、あなたが今、何かに挑戦することを躊躇しているなら、髙森さんの物語が背中を押してくれるかもしれない。彼の生き方は、「素人」であることを恐れず、弱みを強みに変える勇気を与えてくれるはずだ。

もしあなたが熊取町を訪れる機会があれば、ぜひ「TE kara TE」の扉を叩いてみてほしい。ここは単に食事をする場所ではない。髙森政文という一人の人間の、熱い人生の物語を体感する場所なのだから。

TE kara TE 店内 内観

参考文献

髙森政文『最強の素人』, 2023年出版

TE kara TE 公式サイト

Amazon.co.jp: 最強の素人

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